昔、「1分で話せ」という本を読んで、内容を全く覚えていませんでした。
読書あるあるですね
エビングハウスの忘却曲線でいうと節約率(復習する時期が遅くなるほど節約できる記憶時間が低下してしまうというグラフ)は相当低下している状態です。
今回改めて読んでみて様々な気づきがありました(ほとんど覚えていなかった・・・)。
題名の印象
読む前の印象としては、
相手と話をする時に
「1分で簡潔に話すだけの本」
「コミュニケーションを高める本」
というイメージでした
本書の内容
中身を読んでみるとそんな単純な内容では無く
「1対1での会話」や、「プレゼンテーションを行う人」にも対応している内容です。
私は説明系(相手にわかりやすく伝える的なやつ)の本をいくつか読んでいますが、それらに共通している点もいくつかありました。
相手に説明をすることを極めた人たちは「ある程度同じようなポイント」に行きつくのだなと感じました。
ポイント1 勘違いをしている?
誰もが抱えている勘違い
それは「自分が伝えたいことを話せば聞いていてくれる」という勘違い。
確かに普段仕事の場面で自分の伝えたい内容を話せばそれで満足しがちです。
しかし実際のところ相手は、話の内容の80%は聞いていないそうです。
まずは「自分の話なんか誰も聞いちゃいないという事実を受け入れるところから始めなさい」とあります。
これは新たな学びです。
どうしても伝わったと思いがちなので、伝わらない前提で話した方がより伝える内容や伝え方に気を付けるようになると思います。
ポイント2 話す相手は?
「話す相手が誰か?」を考える。
確かに話す対象によっては専門用語は使用しない方が良いし、話す内容のレベルも変わってくると思います。
※相手のことを考える
これは説明系の本には必ず書かれている気がします。
結局、これに尽きるのだなと。
相手に伝える上で、これを意識しないとなにもうまくいかないですね。
他の本では、「説明というのは自分の頭の中で描いていることを相手の頭の中に投影する作業だ」とも言っていました。この本でも同じ内容が書かれています。
その他に伝える系の本に良く書かれているのが
「中学生でもわかるように」でした。
特にテレビ番組ではそれを非常に重要視しているそうです。
理由としては、視聴者は難しいと思えばすぐに他のチャンネルに変えてしまいます。そうなっては視聴率が下がってしまうためTV局としては絶対に避けたいですよね。
相手に質問されたら
まず考えなければいけないのが
「相手は何を質問しているのか?」ということです。
「はい/いいえ」で答えるだけなのか?
自分の持っているアイディアを言う必要があるのか?
懸念点を答える必要があるのか?
これも非常に重要な視点ですね。
これをきちんと捉えていないと「とんちんかんな答え」を言ってしまいます。
相手に話すときは
これは主にプレゼンテーションの時に意識する項目だと思いますが
「棒読みや一定のトーンではつまらないので、一言一言に思いを込めて伝える」
ということが重要です。
人間は忘れやすい生き物なので・・・
プレゼンなどでみんなに覚えてほしい内容がある場合「キーワード化」すると良いそうです。〇〇式〇〇術みたいに。
そうすることで内容はあまり覚えていなくてもキーワードで覚えていたりするそうです。
ポイント3 ゴールを決める
ゴールを決める
「伝えること」がゴールなのか、それを相手に伝えて「動いてもらう」のがゴールなのか
これに関しては「はっ!」とされられました。
普段、あまりゴールまでは考えず、伝えることだけに注力してしまいます。
ゴールが相手に動いてもらう目的であれば、内容や準備など変わってくると思います。
ポイント4 結論を先に言う
結論を先に言う
これは聞いている方にとっては分かりやすいですね。
先日、飼っている犬(ポメラニアン)の目の調子が悪くなったため動物病院(眼科専門)に連れて行った時の事です。
その日は目の検査をして、説明のために診察室に呼ばれました。
そこで先生は動物の目の説明から入り、今のポメラニアンの目の状態を説明してくれました。
結構長い説明です。 そして、最後にいよいよ検査結果の発表です。
私の中では
「いや、先に結果を言ってくれ。それから他の説明をしてくれ」と
イライラしながら心の中で突っ込みを入れていました。
この経験からも、結論を先に言うことは非常に重要だと感じています。
さらに、不要な言葉を使わずに、簡単な言葉を使うことが基本です。
本書では
①結論を言って
②それを主張する理由を3つ挙げる(根拠)
さらに
③3つの根拠に対する実例(事実)を挙げる
という主張をしています。
これは確かに使えるなと痛感しました。
例えば
「株式投資はやったほうが良い」という結論を述べるとして
根拠1:勉強になる
根拠1の事実:株の本で勉強したり、新聞を読むことで知識が深くなり幅も広がる。今まで関心の無かったことに興味がわく。それ以外の勉強も苦ではなくなる。
根拠2:資産が増える可能性がある
根拠2の事実:業績の良い会社の株価を買うことでキャピタルゲイン(株価が上がることで得られる利益)を得ることが出来る。配当金の高い会社の株価を買うことでインカムゲイン(配当による利益)を得ることが出来る。
根拠3:メンタルが鍛えられる
根拠2の事実:一度失敗をすることで(コロナショックなど予期せぬもの)、その経験を元に早めの損切り(負けている株を売る)やその先を予想する力が付く。経験を重ねることで自分の戦略の幅が広がる。
「だからこそ株式投資はやったほうが良いです!」となります。
この考え方は一生使えるものです。常にこのことが頭に入っていれば相手が納得する答えを導き出せるはずです。
まとめ
むかし、何気なく読んでいた本でしたがもう一回読んで良かったです。
「目からうろこ」な箇所がたくさんありました。
今回の項目以外にもたくさんの重要な点があります。興味のある方は読んでみて下さい。
②相手のことを考えよう(わかりやすく簡潔に)
③ゴールを決めよう(相手に話すだけなのか相手に動いてもらう必要があるのか)
④結論⇒根拠⇒事実を意識して話そう(先に結論を言ってからその理由を述べる)
⑤仕事で相手に話す機会がある人やプレゼンテーションをする人におすすめ
是非2回読んでみて下さい(忘れるので)。